ソニーの「360リアリティオーディオ」がすごい!!
空間オーディオ, ビクターEXODIELDと比べた!!
確か2021年1月8日ごろに、iPhoneにインストールしているソニーのヘッドホンアプリから
「360 Reality Audio」
(サンロクマル・リアリティオーディオ)にアップデートで対応した旨の通知が来ました。
360 Reality Audioは、ソニーが開発したバーチャル立体音響技術のことで、実は2019年からAmazon Music HDや一部のストリーミングサービスで対応コンテンツが配信されていました。
ただ、それを再生できる機器が日本国内ではAmazonのEcho Studioしかなかったため、イマイチ知られていませんでした。
今回、日本国内でもソニー製ヘッドホン/イヤホンがアップデートにより360 Reality Audioに対応しました!
バーチャル立体音響と言えば、アップルがAirPods Pro / Maxに搭載した
「空間オーディオ」を思い浮かべる人もいると思います。
Appleの仮想立体音響技術「空間オーディオ」
今回、「360 Reality Audio」と「空間オーディオ」、
そしてそれより以前にDolby Atmosなどのバーチャル立体音響を商品化していた、
ビクターの「EXOFIELD」(エクソフィールド)技術を搭載したXP-EXT1と比較レビューしました!
ビクター(Victor)の「XP-EXT1」
これからは、バーチャル立体音響が熱い!!
360 Reality Audioはどれだけサラウンドを再現してくれるのか楽しみ!!
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360 Reality Audioの特徴
ソニーが開発した立体音響技術
「360 Reality Audio」は、ソニーが開発した立体音響技術です!
立体音響といえばオーディオビジュアルの世界では「Dolby Atmos」(ドルビーアトモス)が有名です。
これは、これまでの5.1chや7.1chのような平面的なサラウンドに対して、天井へスピーカーを設置することにより上下の立体的な音場を可能とした技術です。
この技術により空間的な音の再現性が高くなり、空から降り注ぐ雨やヘリコプターの旋回する音などをリアルに体感できます。
また、これまでのサラウンドシステムはスピーカーの位置を指定するサラウンドでしたが、Dolby Atmosでは音の位置を指定することができるのが大きな特徴です。
ただしこれを実現するには、映画館のようにスピーカーを多く設置できる場所が必要で、ホームシアターの場合でも部屋の天井にスピーカーを設置するというハードルの高さがあります。
これを解決する方法の一つとして、ヘッドホンで立体音響を再現する技術が各社で研究されており、アップルの空間オーディオやビクターのEXOFIELD技術がそうです。
ソニーの360 Reality Audioは、ドルビーアトモスの再現を目指しているわけではありませんが、立体的な音場を少ないスピーカーやヘッドホンなどで再現するという意味では同じでしょう!
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あらゆるイヤホン/ヘッドホンに対応
360 Reality Audioのすごいところは、360 Real Audioに対応した音楽や動画コンテンツとスマートフォン(Android/iOS)があれば、
全メーカーのヘッドホン/イヤホンで楽しむことができます!
これはかなりすごいです!
アップルの空間オーディオは、AirPods Pro/MaxとiPhone/iPadの組み合わせでしか使えません。
ビクター XP-EXT1は、専用ヘッドホンと送信機のみです。
360 Reality Audioの汎用性の高さは素晴らしいですね。
また、ソニーの推奨ヘッドホンを使えば、スマホの専用アプリで耳の形を読み取って一人一人最適化することで、もっと再現性・没入感の高い立体音響を楽しめます!
WH-1000XM4やWF-1000XM3も、もちろん推奨ヘッドホン
推奨ヘッドホンはソニー製であれば現行モデルのほとんどが対応しています!
(推奨ヘッドホンはこちら(英文のみ))
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映像作品よりも音楽コンテンツが中心
360 Reality Audioは、日本ではまだアプリの対応が始まったばかりですが、欧米ではすでにたくさんのコンテンツの配信が行われています。
その中心は楽曲コンテンツで、アリシア・キーズ、リル・ナズ・X、ミーガン・ザ・スタリオン、ノア・サイラス、ザラ・ラーソンの新曲など、4,000曲以上の対応楽曲が提供されています。
映像コンテンツも映画などではなく、アーティストのライブやミュージックビデオのようです。
ビジネス的にも音楽レーベルやストリーミングサービスと連携しており、映画会社はないですね。
立体音響をバーチャルで再現する技術としては、かなり期待できるものなので、映画のDolby Atmosを再現する方向にも行って欲しいです!
全メーカーのヘッドホンに対応というのはすごい!
だけど映画にも対応していって欲しいなぁ
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対応コンテンツや機器の比較
360 Reality Audio、空間オーディオ、EXOFIELDそれぞれの対応コンテンツや対応機器をまとめました。
項目 | 360 Reality Audio |
空間オーディオ | EXOFIELD |
ヘッドホン/ イヤホン |
全メーカー ただしソニー推奨のものは、個人ごとに最適化できる |
AirPods Pro AirPods Max |
XP-EXT1にセットのヘッドホン |
再生機器・アプリ | Android、iOSの専用アプリで再生 | iPhone、iPadで、AppleTVアプリで再生 | 全メーカーのBDプレイヤーやメディアプレイヤー プロセッサー部を接続する |
対応コンテンツ | 専用コンテンツで、音楽コンテンツが中心 | iTunesで配信されているDolby Atmos対応コンテンツ | すべてのDolby Atmosや5.1chなどのサラウンドコンテンツ |
360 Reality Audioは、全メーカーのヘッドホン/イヤホンで楽しめるのが大きいですね。
ただ、コンテンツはまだまだ少なく、しかも専用アプリで提供されているコンテンツ限定となります。
現在、日本国内で唯一の対応アプリ「Artist Connection」
空間オーディオはAirPods Pro/Maxでのみ対応しており、更にiPhoneかiPadが必要です。
コンテンツはiTunesで配信されている豊富な映画やアニメでDolby Atmos対応のものなので、作品数はかなりたくさんあります。
しかしiPhoneとiPadのみというのがネックで、せめてAppleTVにも対応してもらえたら、大画面で楽しめるんですけどね~。
iTunesで配信されている豊富なコンテンツに対応
EXOFIELDは、ヘッドホンとプロセッサー部からなるXP-EXT1を、Blu-rayプレイヤーやFireTVなどに接続することで使えます。
なので、コンテンツはすべてのBlu-rayやDVD、配信動画なのでコンテンツに困ることはないでしょう。
EXOFIELDは、あらゆる再生機器やコンテンツに対応できる
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レビュー
ソニー製ヘッドホン/イヤホンでの設定
今回360 Reality Audioを試したのは、
WH-1000XM4とWF-1000XM3です。
どちらもヘッドホン、イヤホンでそれぞれ最新モデルとなります。
ソニーの「Headphones」アプリから設定を進めていきます。
ここで360 Reality Audioがどのようなものかサウンドを聴くことができますが、設定を終えてからちゃんと評価したいと思います!
360 Reality Audioは、対応したアプリでの再生が必要となります。
Dolby Atmosなどのように、コンテンツが対応していれば再生アプリは何でもいいわけではないんですね。
今のところ再生に対応しているアプリは、「ArtistConnection」だけのようです。
僕はAmazon Music HDを契約していて、アプリもインストールしていますが、設定画面には出てきませんでした💧
そしてここからが面白いところです。
対応したソニー製のヘッドホン/イヤホンでは、耳の形による最適化が可能です!
どうやって耳の形から最適化するのかというと、、、
耳を撮影するのです!!
撮影した耳を読みとって、一人一人に最も最適な設定をしてくれるのです!
すごいですね~。
ちなみに、ビクターのXP-EXT1も人それぞれの耳を最適化しましたが、ビクターの場合は画像ではなく音によって耳道まで認識していました。
では設定を進めていきます。
自分の顔を出すのが嫌なので、紹介動画の画像ですw
まず正面を認識して、「ゆっくり左を向いてください」とアナウンスされるので、その通りにすると自動的に横顔が撮影されます。
撮影されると自動的に耳を認識して、このように表示されます。
そして、画像から耳の形が測定されます。
最適化するアプリを選択すると、自動的に対象のアプリ(今回はArtistCnnection)の最適化が始まります。
以上で設定は完了です!
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実際に聴いてみた!!
設定も完了したので、「360 Reality Audio」を実際に聴いてみてレビューしました!
また、同じバーチャル立体音響のアップル「空間オーディオ」、ビクター「EXOFIELD」と比較しました!
使用したヘッドホン/イヤホン
- 360 Reality Audio: ソニー WH-1000XM4、WF-1000XM3
- 空間オーディオ: アップル AirPods Max、AirPods Pro
- EXOFIELD: ビクター XP-EXT1
項目 | 360 Reality Audio |
空間 オーディオ |
EXOFIELD | ||
WH- 1000X M4 |
WF- 1000X M3 |
Air Pods Max |
Air Pods Pro |
XP- EXT1 |
|
音場の広さ | 広い | 広い | 狭い |
狭い | |
WH、WFのどちらも音場を広く感じる | Maxでは音場が広く感じるがProではそうでもない。 | 音場は狭く感じる | |||
左右の音の動き | かなり感じる | かなり感じる | かなり感じる | かなり感じる | かなり感じる |
左右に音が移動するコンテンツで、十分動きを感じる |
左右に音が移動するコンテンツで、十分動きを感じる | 左右に被写体が移動するコンテンツで、十分動きを感じる | |||
前後の音の動き | 感じる | 感じる | 感じにくい | 感じにくい | 感じる |
後ろからの音を感じることができる また、上の後方などの音も位置を感じる |
後ろから音が鳴るコンテンツで、後ろからの音が鳴っている感覚は感じない そのため、前後に移動する音を感じにくい |
後ろから話しかけられるコンテンツで、後からの音が分かりにくい | |||
上下の音の動き | かなり感じる | かなり感じる | 感じる | 感じにくい | 感じにくい |
上からの音をしっかりと感じる そのため、上下の音の動きをしっかりと感じられる |
頭上から音が鳴っている感覚はProでは感じられないが、Maxではある程度感じる そのため、上下の音の動きも同様 |
前方の上はまだ少し分かりやすいが、真上や後方の上からの音は感じない | |||
音の距離感と 定位 |
かなり感じる | かなり感じる | 感じにくい | 感じにくい | 感じる |
音の距離感をしっかりと感じられる また、例えば右上後方など、どの位置から音が鳴っているかも認識できる |
音の距離感はある程度感じられるが、音の定位まではハッキリと感じるのは難しい Proでは特に感じにくい加速度センサーとジャイロにより、横を向いても常に前方から音が鳴っている感覚はある |
人が前から後ろに移動して話すコンテンツで、 音の距離感は分かりやすい特に耳元でささやくような音は、ヘッドホンの本製品の方がリアルスピーカーより感じやすい |
多くの項目で、
360 Reality Audioは立体音響をかなり感じました!
また、ヘッドホンとイヤホンで大きな差がないのも驚きです。
空間オーディオの場合、イヤフォン(AirPods Pro)ではあまり立体感を感じませんでしたが、ヘッドフォン(AirPods Max)で立体感を感じたのですが、
360 Reality Audioではどちらでも同等の立体感を感じました!
特に素晴らしいと感じたのが、上からの音をよく感じることができたことです!
上からの音というのは、Dolby Atmosなど立体音響の重要なポイントで、空間オーディオやEXOFIELDでは上からの音を認識しづらかったのが残念でした。
しかし、360 Reality Auidioは、上下をかなり明確に認識できます。
音の定位もしっかりと感じられるので、「頭の上の後ろ側」から音が鳴っているというのもよくわかります。
これまで体験してきたバーチャルサラウンドの中で、一番しっかりとサラウンドの音場を再現できていると思います!
それだけに、音楽コンテンツがメインで、映画などの映像コンテンツには対応していないというのはかなり残念です💧
360 Reality Auidioの技術で、ぜひともDolby Atmosなどを再現して欲しいですね。
一つ気になったのが、同じソニーのPS5にも3Dオーディオと言われる技術が使われていますが、これは360 Reality Audioとは別ものなのでしょうか、、、。
PS5を手に入れたら、ぜひ体感してみたいです!
PS5対応ヘッドホン。これ以外でもどんなヘッドフォン/イヤホンでも3Dオーディオを体感できるらしい
360 Reality Audioは、これまでで一番立体感を再現していた!
それだけに音楽コンテンツだけというのが残念過ぎる、、、!
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【まとめ】ソニー 360 Reality Audioをレビュー!!
アップル 空間オーディオとも比較!!
ソニーの立体音響技術「360 Reality Audio」が、国内のイヤフォン/ヘッドホンで使えるようになりました!
コンテンツはまだほとんどありませんが、どれくらい立体感を再現できるのか聴いてみました。
また、同じバーチャル立体音響の、アップル「空間オーディオ」、ビクター「EXOFIELD」とも比較しました!
360 Reality Audioが最も立体感や音の定位がしっかりしており、イヤホン/ヘッドホンで仮想的な立体音響を感じることができました!
特に他の立体音響技術ではあまり感じられたなかった上からの音を、かなり感じることができたのが驚きです。
ただ、コンテンツが音楽が中心で、映画などはありません。
これだけ素晴らしい技術なのですから、映画のDolby Atmosの仮想的な再現もして欲しいですね~。
最近のソニー製イヤホン/ヘッドホンを使っている方は、360 Reality Audioを体験できるので、一度試してみてください!
360 Reality Audioは、かなりすごい!
ぜひ映画などでも使えるようにして欲しい!
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Appleの空間オーディオは5.1chなのに対して、ソニーの360 RealityAudioは音源の位置が360度に無限にあるので全くの別物です…
またPS5の3D Audioも同様に無限に音源の位置がある感じですね。
WH-1000XM3ユーザー様
コメントありがとうございます^ ^
空間オーディオは、5.1ch、7.1ch、ドルビーアトモスに対応ですね。
https://www.google.com/amp/s/www.itmedia.co.jp/mobile/amp/2010/25/news009.html
この記事以外でも、iOS14が発表されたときに、そのように発表されていました。
よろしくお願いします^ ^
SORA