ドルビーアトモスは天井スピーカーが一番!?
効果の違いを徹底比較&採点!!
オーディオビジュアル(AV)好きの皆さんの一つの夢は、
「Dolby Atmos環境を作る」ことではないでしょうか?
この記事では次のことをまとめています!
- Dolby Atmosを楽しむ方法と効果の違い
- 天井にスピーカーは、やはり圧倒的迫力!?
ドルビーアトモスについては、この記事を読んでいる方に説明はもはや不要かもしれませんが、少し下に簡単な解説を書きました。すでに知ってるよ!って人は読み飛ばしてくださいね。
で、そのDolby Atmosのキモとなるのが、天井に設置したスピーカー(トップスピーカー)となります。
Image: Pioneer
しかし、多くの家では物理的な理由や家族の同意が得られない😭 などの理由で、天井設置はかなりハードルが高いです。
(もちろん、DTS:X、Auro-3Dでも同じです)
今回、僕自身がドルビーアトモス環境を追い求めて、試行錯誤してきた末に、ついに天井に後付けで簡単に設置できるスピーカー、
ヤマハ VXSシリーズ「Mモデル」
「VXS1MLB / VXS1MLW」
を見つけて購入したので、実際に天井に設置しました!
サウンドバーによるバーチャルサラウンドから、イネーブルドスピーカーなど、様々なドルビーアトモスの方法を試してきた経験から、それぞれの三次元サラウンドの効果のほどを解説します!
今のDolby Atmos環境に不満な方や、これからDolby Atmos環境を構築しようとしている方は参考にしてください!
長年、試行錯誤したドルビーアトモス環境がついに完成した!
ついに天井スピーカー!!
結局、他の方法と比べてどうだったのか?
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【Dolby Atmos(ドルビーアトモス)とは】、ドルビー社が提唱・策定した、立体的なサラウンド規格です。
これまでの5.1chや7.1chのサラウンドは、視聴者(自分)を平面的に取り囲むスピーカーによるものでした。
しかしDolby Atmosでは、5.1.2chや7.1.4chのように、天井にもスピーカーを設置することで上からも音が降り注ぐ、三次元的なサラウンドを可能とします!
(最後の数字が天井スピーカーの数)
そして更にすごいのは、Dolby Atmosは「オブジェクトベース」と呼ばれるサラウンド方式なのです!
これまでのサラウンドは「チャンネルベース」と言われ、作成者がこの音はこのスピーカーから出す、というように決めていましたが、オブジェクトベースではスピーカーの位置にとらわれず、音の位置を決めることができます。
例えば、ヘリコプターが空を旋回したり、人間の足音が左前から後ろの遠くへ移動し、それから後ろの右へ移動、、、、なんてことも音だけで分かるんです!
オブジェクトベースによる音響規格は、ドルビー社の「Dolby Atmos」以外に、DTS社の「dts:x」、Auro Technologies社の「Auro-3D」がありますが、この記事では総称として「Dolby Atmos」を使っていきます。
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Dolby Atmosを楽しむ方法と効果
Dolby Atmosのスピーカー環境を構築するには、天井にスピーカーを設置する以外にもいくつかの方法があり、僕はそれらの方法も試してきました。
(以降は、dts:x、Auro-3DなどのオブジェクトベースのサラウンドをすべてDolby Atmosと書いていきます)
- AVアンプやサウンドバーの仮想音響技術(バーチャルサラウンド)
- ビクターEXOFIELD技術を使ったヘッドホンによる音場再現
- イネーブルドスピーカーによる天井への音響反射
- ハイトスピーカー(高い位置に設置したスピーカー)
- トップスピーカー(天井設置スピーカー)
おそらく上記が劇場を除く、家庭でドルビーアトモスを体感できる方法のすべてだと思います。
そして、僕の経験的に、①から順にDolby Atmosの高価が強くなっていきます。
当然ながら、⑤のトップスピーカー(天井設置スピーカー)が一番効果的となります。
それぞれの方法の効果と感想を書いていきます。
みなさんが構築しようとしている方法の参考にしていただければと思います!
アトモスを楽しむ方法はたくさんある!
全部体験したので、紹介していくよ!
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[採点] Dolby Atmosの構築方法と評価一覧表
Dolby Atmosを体験できる方法それぞれについての(僕の)評価と採点を、一覧表にしました!
あくまでも僕の主観による評価と採点であることをご理解くださいね。
方法 | 使用機器 | Dolby Atmos の効果 |
採点 |
バーチャル サラウンド |
サウンドバー AVアンプ+フロント2ch |
音場は広く感じ、ある程度のサラウンド感はあるが、各仮想スピーカーからの定位は弱い。 後ろからの音は感じにくい。 Atmosの上からの立体音響は感じにくい。 |
3~5 |
EXOFIELD | ヘッドホンシステム(XP-EXT1) | 音場の広さはリアルスピーカーほどではないが、平面(7.1ch)の仮想スピーカーの定位は感じられるので、臨場感はある。 Atmosの上からの立体音響はかなり感じにくいのが残念。 |
6 |
イネーブルド スピーカー |
AVアンプ+イネーブルドスピーカー | 音を反射させる天井の材質に左右されるが、天井から音が聴こえる効果を強くは感じない。 高い位置に設置する方が効果は高くなる。 |
7 |
ハイトスピーカー | AVアンプ+ハイトスピーカー | Atmosの天井から聴こえる立体音響を感じることができ、迫力ある音響を楽しめる。 ただ、真上から音が降ってくる感覚にはならず、上からの音に対しての定位は悪い。 |
8.5 |
天井スピーカー (トップスピーカー) |
AVアンプ+トップスピーカー | 圧倒的な3次元立体音響を体験できる。 真上で鳴り響く雷雨をリアルに感じ、トップスピーカーを4つ設置すれば、旋回するヘリコプターが飛んでいる位置まで感じられる定位のよさ。 |
10 |
採点:10点満点
結果としては予想通り、バーチャルサラウンドからトップスピーカーの順番で、ドルビーアトモスの効果が高くなりました。
それぞれの方法について、下に詳しく解説していきますので、自分が使ってみようと思う方法の参考にしてみてください!
すべての方法を体験・経験してみて、
改めて、やはりトップスピーカーが圧倒的だった!!
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①バーチャルサラウンド(サウンドバーなど)
音響の技術が進歩し、前方からのスピーカーだけで仮想的なサラウンド(バーチャルサラウンド)を楽しめる「サウンドバー」が売れています。
最近ではAVアンプにもフロントスピーカーだけでサラウンドの再現をうたうものもあります。
最大のメリットは、スピーカーを複数置く場所や手間、コストが必要なく、非常に簡単にサラウンドを楽しめることです。
その方式はヤマハのように音を壁に反射させる方式から、耳への聴こえ方をシミュレートするものなどがあります。
しかし、僕個人としては
「サラウンドの効果はかなり薄い」です!
特に、上下の音の動きが必要なドルビーアトモスでは、ほぼ効果はないといえるでしょう。
後ろからの音も感じにくいです。
確かに、「これがフロントスピーカーだけの音!?」と驚くほど、音場が広く感じ、サラウンド感が得られるものもあります。
しかし、どこから音がなっているかという音の定位感はあまりよくありません。しかも、最高の効果を得るための試聴場所(スイートスポット)から外れると一気にサラウンド感弱くなります。
Image: ソニー HT-ST9
テレビ内蔵スピーカーより音質をよくして、サラウンド感も体験したいという、サラウンド入門としてはおすすめです。
サウンドバーはその手軽さから、かなり売れている!
しかし、本当のDolby Atmosにはハッキリいって程遠い、、、😫
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②EXOFIELDシアターシステム
ビクター「XP-EXT1」
2020年8月にビクターから画期的なホームシアターシステム
「XP-EXT1」が発売されました!
頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」により、ヘッドホンなのに、実在するスピーカーの位置から音が出ているように感じることが最大の特徴です!
この技術とDolby Atmosとの相性はかなりいいとのことで、理想的な7.1.4chのドルビーアトモスの音場を再現できるのです。
僕は発表されてすぐに予約し、購入しました!
(税込11万円と、なかなか高価です)
👇 ヘッドホンでDolby Atmosを再現!? ビクター「XP-EXT1」音質レビュー!!
しかし、このシステムXP-EXT1で聴いたDolby Atmosは、、、
「うーーん、、、期待外れ、、、」というのが正直な感想です。
確かに、サウンドバーやこれまでのヘッドホン型のバーチャルサラウンドに比べると、圧倒的にサラウンドスピーカーの定位を感じます。
しかし、Dolby Atmosの要である「上からの音はかなり感じにくいです」。
ヘリコプターが飛び回るデモ音源でもそれは明白で、耳より少しだけ上を飛んでいると感じるレベルでした。
しかし、このEXOFIELD技術そのものは素晴らしいと感じましたので、ファームアップや改良で更に進化するのを期待しています!
Atmosを求めず、平面的なサラウンドとして楽しむなら、レベルは高い
【革新的!!】ヘッドホンなのにスピーカーで聴いているようなサラウンド体験!!「XP-EXT1」をチェック!!
👇 XP-EXT1のレビューを動画でアップしました!!
③イネーブルドスピーカー
イネーブルドスピーカーは、ドルビー社公認のスピーカー方式で、天井や高い場所にスピーカーを設置できない人でもDolby Atmosを体験できるように考えられたものです。
その原理は、天井に向かって音を出し、天井で反射した音を聴くことで、天井から音が鳴っているように聴こえるというものです。
イネーブルドスピーカーのイメージ:天井で音を反射させる
イネーブルドスピーカーを使った5.1.4chのイメージ
僕の場合も、天井にスピーカーを設置するのが屋根の耐久性と家族の反対(^^;)により実現困難だったので、イネーブルドスピーカーを試しました!
当時はイネーブルドスピーカーの種類も少なかったのですが、その中でもONKYOのハイスペックなモデル D-309H を使いました。
(小さくて効果なかった場合どうせ大きいのに買い替えるので、それなら最初からということで。)
トールボーイの上に載せて使えるようにデザインされている
確か、2台1組で4万円近くと、なかなか高かったと思います。
そして実際に使ってみて効果のほどは、、、
んー、、、イマイチ!!(高かったのに、、、)
リアスピーカーの上に載せていました
天井の材質にも結構左右されるようで、僕の場合は和室の「竿縁天井(さおぶちてんじょう)」で、木製なので音が反射しにくいというのもあると思います。
和室によくある竿縁天井。音を反射しにくい
ヨドバシカメラのオーディオコーナーで試聴したときは、天井の音が反射するところに硬そうな板が貼ってあり、家よりは天井からの音が感じたように思います。
それでもやはり間接的なので、「頭上から音が聞こえる!」とまではならないですね。
さらに効果を上げるために、150cmのスピーカースタンドにイネーブルドスピーカーを置いてみました。
本当は180cmまで高くできるスタンドですが、不安定すぎるので150cmで使用。
これだと、Dolby Atmosの効果はかなり高くなりました!
天井とスピーカーが近い分、反射も多く返ってくるようです。
ただこれは、イネーブルドスピーカーの反射なのか、単純に位置が高い「ハイトスピーカー」として機能してしまっているのかよくわかりません😅
イネーブルドスピーカーは、期待するほどの効果は得られない!
使うならできるだけ天井に近い方がいい
【Dolby Atmos】手軽にアトモス!!イネーブルドスピーカーをチェック!!
④ハイトスピーカー
イネーブルドスピーカーの次は、高い位置にスピーカーを設置する
「ハイトスピーカー」を試しました。
ヤマハは、Dolby Atmosができる前から、プレゼンススピーカーとしてハイトスピーカーを推奨していました。
なので、ヤマハのAVアンプのサイトがの画像では、ハイトスピーカー描かれています。
YAMAHA公式サイトでは、フロントスピーカーの上にスピーカーを設置している
ちなみに僕が現在使っているAVアンプはYAMAHA RX-A2080です。
ネットの情報では、YAMAHAがDolby Atmosに出遅れたのも、フロントハイトスピーカーで天井スピーカー(トップスピーカー)と同様の効果を得るのに時間がかかったかららしいです(ソースは見つかりませんでしたw)。
天井にスピーカーを設置できない僕としては、こういった理由もヤマハのAVアンプを選択した理由であり、メーカーにもハイトスピーカーで問題ないと回答を得たからでした。
で、部屋の構造上、フロントスピーカーの真上にスピーカーを設置することができたので、フロントハイトでドルビーアトモスを構築しました。
フロント左右のトールボーイの真上にスピーカーを設置
そして、Dolby Atmosのコンテンツを聴いてみた結果、、、
「おーーー、上から聴こえる!」
イネーブルドスピーカーよりも、明らかに上から音が聴こえます!
やはりちゃんと上にスピーカーを置くのは効果的ですね。
ヘリコプターが上空を旋回するデモや、雷雨のデモなどで、確かに上方向から音が聴こえるし、広がりも一気に増えました、、、。
しかし、真上から聴こえる感じがないので、音の定位が悪く、上側全体から聴こえる感じです。
んー、ヤマハの言い分もどうなのかなぁ、、、といった感じでした💧
ちなみにこの時のAtmos用スピーカーの配置は、
フロントハイトx2、リアイネーブルド(高さ150cm)x2 の5.1.4chです。
ハイトスピーカーで、かなり上からの臨場感が増した!
しかし、真上からドカンと音が落ちてくる感じじゃないんだよなぁ、、、
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⑤天井設置スピーカー(トップスピーカー)
本来の最も理想的な設置が、天井スピーカー(トップスピーカー)です。
詳細については別記事にしますが、今回、YAMAHAの
VXSシリーズ“Mモデル”「VXS1MLW」を天井に設置しました!
ついに天井に設置!!
「VXS1MLW」は、手のひらサイズの小型で、なんと170gの超軽量スピーカー!
これならば我が家の天井に設置しても、目立たないし強度的にも安心と、なんとか説得して許可されました!
めちゃくちゃ小さいけど、音はしっかりと鳴るスグレモノです
店舗などのBGM用として開発されたものなので、小型でも音はしっかりと鳴ってくれます!
そして、天井スピーカーで実際にDolby Atmosコンテンツを聴くと、、、
「圧倒的な3次元的臨場感!! 没入感!!」
ハイトスピーカーも含め今までの方法がかすんでしまう、
「求めていたのはコレだよ、コレ!! 感!!」
ヘリコプターのデモでは、まさに上空を旋回しているのがわかります。
ヘリがどこを飛んでいるかまで、バッチリ感じます。
雷雨のデモでは、本当に土砂降りの雨の中にいる感覚になります。
これまで見た映画を見直すと、迫力が変わりすぎて、めちゃくちゃ楽しい!
Atmos収録の作品はもちろん、5.1chソースの作品だけじゃなく、2chステレオの作品も、AVアンプで5.1.4chにアップコンバートしてくれるので、迫力が違う!!
やはり、バーチャルやイネーブルドなど、どれだけ色んな技術を使っても、天井から直接降ってくる音には全く敵わないことがわかりました!
求めていたのはコレ!!
やはり天井設置スピーカーが圧倒的だった!
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【結論!!】Atmosの効果は天井スピーカーが圧倒的!!
しかし設置のハードルの高さがネック
諸事情により、天井へのスピーカー設置が困難だったことから、これまで長い間いろんな方法でDolby Atmosを模索してきました。
しかし、なんとなく満足できずスピーカーを探し求めた結果、
ヤマハの「VXS1MLW」と出会い、トップスピーカーを設置することが叶いました!
そして、念願の天井スピーカーでDolby Atmosを体験したところ、
今までの どの方法よりも、圧倒的な立体感と迫力と没入感でした!
様々な方法を経験してきたからこそ、天井スピーカーが最高だといえるのですが、
天井は設置のハードルが高いのも事実です。
今回紹介した通り、Dolby Atmosの効果は次の順番で高くなっていくので、自分の環境や予算が許す限り、ベストな環境にした方が幸せになれます😄
- AVアンプやサウンドバーの仮想音響技術(バーチャルサラウンド)
- ビクターEXOFIELD技術を使ったヘッドホンによる音場再現
- イネーブルドスピーカーによる天井への音響反射
- ハイトスピーカー(高い位置に設置したスピーカー)
- トップスピーカー(天井設置スピーカー)
また、今回僕が使ったスピーカ、ヤマハ「VXS1MLW」は、かなりコンパクトで170gの超軽量なので、天井への設置のハードルをグッと下げてくれると思います。
音も小型ながら、芯のあるしっかりとした音を鳴らしてくれます。
M4~M5のネジ2本で固定できるので、天井へのダメージはかなり小さいです。
あとは配線を上手く処理すれば、家族の同意も得られやすいと思います!😄
Dolby Atmosの環境を構築したかったけど、なかなか難しいと考えていた方の参考になれば幸いです!
Dolby Atmosのベストな環境はハードルが高い!
でも、今回のような小型スピーカーを使えばグッとハードルが下がるので、検討の価値ありだよ!!
天井から降り注ぐ音は、めちゃくちゃすごいよ!!
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